クローズアップインタビュー

インタビュー

クローズアップインタビュー鳴海税理士

全国唯一の障がい福祉専門の税理士事務所
急成長の軌跡を追う!

アンテリジャンス税理士法人
グループ代表 鳴海佑亮氏


ミュージシャンから税理士へ、そして障がい福祉専門事務所設立とユニークな経歴を持つ税理士の鳴海佑亮代表が率いる「アンテリジャンスグループ」(大阪・大阪市)が急成長している。「施設の経営者を支えることで、その先にいる利用者とご家族の安心につなげる」をポリシーに、日本で唯一とされる障がい福祉専門のコンサルティングファームの全国展開を目指している。そこで、鳴海佑亮代表への取材を通して、成長の軌跡や秘訣、そして将来展望などをお伝えする。

2023年10月25日

グループ規模は3拠点40名、年内に5拠点50名に拡大予定

アンテリジャンスグループの設立は2012年11月。障がい福祉専門の士業グループとして株式会社、税理士法人、社会保険労士事務所、行政書士事務所の4社で構成され、スタッフ数は40名。


障がい福祉と一言でいっても、グループフォーム、生活介護、就労継続支援(A型、B型)・移行支援、居宅介護、訪問介護、障がい児童所支援など、サービスは幅広い。アンテリジャンスグループは、そのなかでも特殊な業務領域である税務、会計、労務、給与、法務、行政関係といったバックオフィス部分を丸投げワンストップで請け負っている。


グループの拠点は現在、大阪、東京、横浜にあり、年内には神戸と福岡にも開設、スタッフ50人規模になる見込みだ。全国の障がい福祉施設は、利用者やその家族にとってなくてはならない存在であるため、同グループでは「事業所を倒産させないことをミッションに、コンサルティングも実施し、倒産ゼロを実現している」(鳴海佑亮代表)。


こうした福祉施設には、一般になじみの薄い就労会計や売上請求における加算制度などがあり、少なくともNPOや一般社団法人などの特殊法人の税務や就労支援事業会計処理基準、NPO法人会計基準に詳しくないと、誤った処理や指導が行われてしまうことも。全国の施設数は約13万6千件あるなか、多くの税理士が手を付けない分野とされる由縁がそこにある。

障がい福祉のマーケットは誰も特化していない

鳴海代表は、元ミュージシャンという異色な経歴を持ち、ひとりでできるコンサルタントになりたいと奮起して税理士を目指した。試験勉強中には会計事務所のアルバイトで実務経験を積んだ。そして、7年かけて税理士資格取得と同時に独立開業したものの、お客ゼロからのスタートで厳しい現実に直面、差別化を図らなくては駄目だと感じた。 


そこで、自分の得意分野は前の事務所での経験した公益法人だと思い、「NPOなどの特殊法人の税務・会計が分かる税理士」として、顧客開拓のための営業を展開し、そこで話が舞い込んできたのが障がい福祉の仕事だった。


調べてみると、この分野は非常に特殊な業界であり、特化している会計事務所も見当らなかった。それならばそうした分野に専門特化した事務所を作ろうと決めたことが、アンテリジャンスグループの始まりとなった。

専門特化する上で苦労する点とは…

鳴海代表は、この業種に専門特化することで苦労する点はスタッフ教育だと言う。 施設を運営するには日常の運営業務だけでなく、国保連合会と利用者への請求、会計、税務、労務、法務、経営の7つの業務があり、就労会計、サービス区分会計や労務、法務における各種加算など、それぞれの業務に業種独特の部分がある。


そうした専門性の高い業務のため、スタッフを抱えるようになって困るのは教育。成長の過程では、「特化しているという割には素人集団だよね」と言われた時期もあったという。これを乗り越えるために、グループ独自に開発したのがマニュアルだ。業種に特化することで業界情報や事例が集まってくるため、こうした情報や事例をまとめてマニュアル化してスタッフが共有することで、一定の業務レベルが確保できるようになった。


マニュアルは細かく分類整理されており、たとえば決算面談については事前準備編、当日編があり、事前準備編では必要な資料作成用フォーマットも用意され、当日編では担当者の進行に伴うトークまで用意されている。スタッフが増えてもマニュアルを一通り研修することで対応できる体制となっている。

バックオフィスの丸投げワンストップサービスと明確な料金体系明示で急成長

施設運営について「社長さんは利用者さんの事とスタッフの教育・採用と組織作りだけやってください、あとは私どもに丸投げしてください」(鳴海代表)とワンストップサービスを提供することで解決している。こうすれば業務全般のやり方で主導権が握れるため、効率的なサポートができる。これが経営者からも喜ばれている点と言える。


なお、施設運営に必要な日常業務、請求、会計、税務、労務、法務、経営の7要素のうち、会計から経営までの5要素はグループで一括して受けることができ、5要素一括セット料金は月額12万円から。


「経理事務員を雇うよりも格安で確実」ということで、多くの場合納得していただけるという。


 


 

グループのポリシーは「倒産させない」。

実際に現在まで倒産は1件もなく、この実現のために事業予測シミュレーションや納税予想、預金残高の推移が一目でわかる事業収支シミュレーションツールなどを活用してコンサルティングを実施している。料金は安くはないが、ワンストップサービスの充実を図り、顧客を引き付けたことでグループは急成長している。

営業活動はWebと福祉施設経営者コミュニティからの紹介

新規顧客の開拓手法は、Webサイトと施設経営者コミュニティからの紹介の2つが大きい。Webの場合はブログを活用しており、その数は300を超えている。Webからの相談も累積500件を超え、そのうち事業所開設の相談が全体の6~7割と、常に一定の成果を出している。


紹介については独自のルートを開拓しており、その一つが障がい福祉施設の経営者のコミュニティで、そこでの交流を通して信頼関係を築くことで紹介を受けている。業界には経営者の小さなコミュニティがたくさんあり、きめ細かに接触を図っている。なお、「今の顧問税理士を替えるわけにはいかない」といった場合には、相談顧問だけのメニューも用意しているのも特徴だ。


 アンテリジャンスグループは短期目標として2025年に7拠点スタッフ100名を掲げている。同グループでは施設からの「お客様紹介キャンペーン」を実施しており、大きな成果を上げている。その一方で、鳴海代表は税理士からの紹介ルートにも期待、これから税理士向けキャンペーンを本格化させたいとしている。問い合わせ相談や案件の紹介があった場合には、紹介料や成功報酬が支払われる仕組みだ。


税理士としての専門ノウハウの提供と社会貢献。アンテリジャンスグループの今後の展開に目が離せない。

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