クローズアップインタビュー

インタビュー

44号 黒田氏

創業3年、相続で年商1億円超の経営戦略
相続マーケット攻略に秘策はあるのか―

(株)オーシャン 代表取締役 黒田 泰氏

「新規開拓やセミナー営業、面談もこなせる総合職の人材育成がキー」

税制改正を背景に、相続市場が活況を呈している。これをビジネスチャンスにと、税理士、司法書士らの士業が相続ビジネスに前向きだ。創業僅か3年で、相続分野で年商1億円を突破した行政書士・司法書士を中心とするオーシャングループも、国内屈指の成長を続けている。果たして相続マーケット攻略に秘策はあるのだろうか。グループ代表を務める、(株)オーシャンの黒田泰社長が語る、相続ビジネスの成功の法則を紹介する。

“元受け的立場の司法書士事務所“がビジネスを加速

2015年02月01日

大手経営コンサルティング会社のご出身だそうですね。

10年間弱ですが、国内最大手の経営コンサルティング会社で経営コンサルティング業務に従事してきました。私が士業界との接点を得たのは2005年に出会った法律事務所のマーケティング支援がきっかけでした。この弁護士向けの業績アップ支援の成功が契機となり、同年、社内でも士業向けコンサルティングチームが立ち上がりました。今でもそうですが、ホームページ・チラシ・DM・セミナー営業などの集客を得意としていましたので、税理士・司法書士・行政書士・弁護士などの士業事務所の支援において多くの成功事例を残すことができました。そんな売上を上げる事しか脳が無かった私に転機が訪れたのは、2011年の初めに妻が行政書士に合格したことでした。同年6月に開業し、3ヶ月目の2011年8月には月商100万円を突破。この時に、自分自身の成功体験、マーケティングやマネジメントのノウハウを自分のために使ったらどうなるのだろう・・・と。ふと思うと何かが腹の奥底から沸々と湧き上がってくる想いでした。この翌月に10年近くお世話になった前職を卒業しようと決めました。

なるほど。これまでの経営ノウハウを持って実業家になろうと。

お世話になった前職を2011年末に退職し、翌年に経営コンサルティング業務とグループ内の士業事務所の経営支援を行う(株)オーシャンを設立。相続遺言を専門とする行政書士・司法書士の事務所と、高齢者の支援を一般社団法人いきいきライフ協会の4つの法人でオーシャングループを結成しました。

創業3年でグループ全体の年商規模は約1億5千万円とのことですが、そうした事業規模に成長させた要因とは?

企業体として見たら、いまだ大した事業規模ではありませんが、確かに売り上げ自体は倍々ゲームのように推移しています。私を表面的に知る人は、「ホームページが得意な経営者」と見ているようですが、決してそれだけでは業績アップに結びつきません。問い合わせの獲得、相談者との面談のアポイント、面談から受注のアプローチ。そして、受注件数が増えれば業務処理体制の再構築など、業務フローを整えることは勿論、安定した分業体制を構築しなくては倍々で成長する事業の維持運営はできません。現状、営業のすべてをホームページ経由に頼っているわけではなく、売上の半分はパートナー各社からの紹介によるものです。この営業は私一人で行ってはいません。丁寧にメンバーに営業の仕方を教えて、メンバーが新しい仕事を取ってきた成果でもあるのです。こうした人材育成もそうですが、これまで経験してきた経営コンサルティングのノウハウに加え、経営者として全力で取り組んできた3年間がようやく実を結びつつあるといった感じですね。

税理士と戦略的な提携で年間40件の相続案件を紹介

グループの中に、税理士は入っていませんね。

44号 黒田氏 (2)

パートナーシップを結ぶ複数の税理士事務所から、不動産の名義変更などのお仕事を紹介してもらっている関係上、あえて税理士事務所はグループ化しておりません。お互いのメリットを考えたら、“餅は餅屋”で進める方が得策ですから、案件を紹介し合うパートナーシップに力を入れています。オーシャンでは、年間40件近くの相続税案件をパートナーの会計事務所にご紹介しています。今年2015年は都内に3店舗目の進出も考えていますので、さらに相続税案件が増えると思います。お互いにWINWINとなれる会計事務所との戦略的な提携を視野に入れています。定期的に相続税案件を紹介できる、“元受け的な司法書士事務所”という立ち位置が、ビジネスを成功させている要因ではないでしょうか。

相続税改正で、さらに紹介案件は増えそうです。

そう見込んでいます。税理士に限らず、私たち司法書士・行政書士もそうですが、相続案件を獲得するBtoC向けのマーケティングが出来る事務所はほとんどありませんから、多くは“下請け的”な位置づけです。私たちオーシャンの強みでもありますが、グループ全体では年間約800件を超える相談件数があり、業務においても遺言書作成が年間およそ150件。相続手続きでは、年間で600件は下りません。毎月のように遺言書を10~15件も受注する士業事務所はなかなか無いのではないでしょうか。相続や遺言などのクロージングにはプチコンサルが求められますが、社員の営業研修を私自身がみっちり行います。ですから、こうしたBtoC向けの事業モデルでは他に負けない自信があります。

相続の受託案件の規模はどれくらいが多いのでしょうか

ざっくりですが、現状は案件の2割近くが相続財産5千万円以上の顧客です。それが今回の相続税改正で大半が相続税の申告が必要となります。私たちは顧客の遺産相続がいつも見ていますので、マーケットの拡大を肌で感じています。月40~50件近くの相続手続き案件のうち、2割が相続発生案件になると仮定すると、月間8~10件ちかくの相続税案件を抱えることになります。年間では100件もの相続税案件を紹介できる司法書士・行政書士事務所になります。会計事務所との業務提携の際には、具体的な相続案件を手土産にして伺います。そして、私たちは「どこに何件紹介したのか」「どこから何件紹介いただいたのか」管理していますので、ハッキリとそれを会計事務所の所長にお伝えしています。お仕事をいただいておいて、年末にバームクーヘンを送って済まされるとは思っていません(笑)。シッカリとお仕事(相続税申告業務)でお返ししています。それが、元請機能を持つオーシャングループの強みですので。

ホームページで集客。相続関連企業とアライアンス組む

現状は良くわかりました。実践されている具体的な集客の方法を知りたいのですが。

いわゆるノウハウですね。構造は至ってシンプルです。まずは、ホームページを活用したマーケティングで採算を取ることです。次いで、こうした集客機能とその他のマーケティングを駆使して元請機能を確立し、これを武器にパートナーを開拓するリアル営業につなげる。具体的には、会計事務所に相続税案件を紹介するように、不動産会社には相続した不動産物件の売却を紹介する、葬儀社には生前対策のニーズの掘り起こしや生前契約を紹介する、保険代理店には税金対策の終身保険の顧客を紹介する。こうした関連企業とのアライアンスを組むことで、広告費のかからない受注チャネルを確立することが可能になります。また、大量に受注するということは、大量に発生する相続関連業務の処理を行うアウトソーシング部門の構築も必要です。オーシャンでは、15名ほどのスタッフさんに戸籍収集から財産調査、預金の解約などを担当してもらっています。こうした経営に関する全工程の最適化を図ることが、集客方法と同様に非常に重要となります。

そういったノウハウは公開されていこうと。

44号 黒田氏 (3)

はい。相続・遺言の関連業務にもっと精通したいとお考えの士業の方々向けに「相続遺言推進協議会」を立ち上げ、有料セミナーや業務研修を通じてオーシャングループの実務ノウハウを公開しています。相続手続や遺言書作成の実務研修や面談手法、営業ツール、セミナーテキストの提供やセミナー営業の仕方を教える研修など、業務ノウハウを提供していく場として活用いただいております。

相続関連業務の将来性について、どんな考えをお持ちですか。

今後の相続マーケットにおいては、不動産のコーディネートや遺言書作成に絡んで生命保険のコーディネート、弁護士・税理士・司法書士などの士業の連携が必要不可欠になっていくと考えられます。相続税対策としての生命保険の活用などは、非常に大きなマーケットがあるように思えます。昨年11月27日に開催されたゼイカイ主催のイベント「会計事務所博覧会 2014」でも、セミナー講師を務めましたが、定員を大幅に超す参加者で盛況だったことからも、相続ビジネスへの高い人気度が伺えます。

最後に、会計事務所はどのように相続ビジネスに取り組めば良いでしょうか。

相続ビジネスは、非常に魅力的な業務分野であると言えますが、ルーチンをこなす担当者で対応出来る分野ではありません。この相続ビジネスで求められるのは“総合職”です。新規開拓やセミナー営業、BtoCの面談ができる総合職の人材を本気で育成できるかが、相続マーケット攻略のカギとなるのではないでしょうか。

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