クローズアップインタビュー

インタビュー

39号 MAP経営 (3)

新体制で誕生した新システム「MAP3」をフル活用

(株)MAP経営 浅野泰生 代表取締役社長

操作性高めて会計事務所の未来会計業務の事業化を促進

会計業界内における「経営計画策定システム」と言えば、「MAP」が代名詞的な存在。2年前に、それまでのソフト中心の販売スタイルから路線変更し、「未来会計クラブ」という会員制の導入で新路線を邁進中だ。そして今回、若返り人事とも言うべき浅野泰生新社長を始めとする新執行体制がスタートしている。新たな事業への取り組みなどについて浅野新社長にインタビューした。

2014年04月01日

入社8年目で社長に就任されましたが、プレッシャーはありましたか。

私は平成18年に中途採用で入社し、平社員からのスタートでしたが、役員による採用面接の時から「いずれ早いうちに経営陣側の席に座りたいです」などと話していました。実際、この8年間は常にそうした想いで仕事に取り組んできました。しかし、実際に現会長の高山から社長バトンタッチの話を聞いた時、多少の戸惑いがあったのも事実です。高山は創業者でもあり、人生経験はじめ人格や性格も異なりますので、その後を自分が本当に受け継ぐことができるのか、少し考える時間をもらいました。

そこで、どんな結論が出ましたか?

弊社の経営理念は、『「先見経営・先行管理」の仕組みの提供により、企業の発展と社会貢献に寄与する』ことにあります。この理念を実現させるために高山と仕事をしてきましたが、目的が一緒であれば手段は違ってもいいのではないかと思ったのです。また、私は他人の批判を気にするタイプなので、自分の意思を貫き通せるかどうかという不安もありましたが、会社を経営している友人にそんな話をしたところ、「お前が意思決定に躊躇するのは、信念が足りないからだ。信念があれば他人の批判などは気にしないはずだ」と言われ、会社を良くしたい、お客様により良いサービスを提供したいと本気で思うなら、自分の意思決定を貫けばいいと考えました。その時、吹っ切れたといいますか、本当の覚悟が出来ました。

自分なりのスタイルで会社を経営していく覚悟ですね。

39号 MAP経営

そうですね。弊社も世代交代の時期を迎えていますが、若い世代はまだまだ未熟なところもあります。高山やベテランの幹部が、若い世代をバックアップしてくれていますので、とても感謝しています。そうした方々に早く安心してもらえる経営状態にする、それが私どもの恩返しだと思っています。すでに新しい事業構想などもありますが、まずは2012年1月からスタートした「未来会計クラブ」の充実が大きな課題といえます。

各方面から「未来会計クラブ」の話題は上っています。

それは有難いですね。私どもは経営計画策定システム「MAP」を提供していますが、「未来会計クラブ」は、従来のMAPを購入する形態ではなく、月額会費制の会員制度で、加入期間はMAPを無償使用することができます。最低月額1万5千円(入会金10万円)からサービス内容に応じて3コースから選択することができます。
 独立開業した会計人の中には、税務会計だけでなく、経営計画支援の必要性を感じている方もいます。しかし、MAPは200万円前後で提供していましたので、システムを利用したいと思っても、金額面で躊躇される方もいました。会員制にして料金を下げたことで、独立開業したばかりの会計人にも利用を検討して頂けるようになり、この2年間で230件ほどの新規入会者が増え、現在は全国約1,000の会計事務所が加入しています。

安い料金で利用できるのは、若手の会計人にとっても有難いですね。

過去にMAPを利用されていた方の入会も増えています。また、MAPを利用している事務所から独立された方の会員登録も目立ちます。そのほか、近年は顧問料や顧問先が減少傾向にありますので、事務所承継を検討している所長先生が後継者のために加入するケースもあります。

MAPの新しいシステムが提供されると聞きました。

はい。今年5月にMAPの最新システム「MAP3」の提供を開始します。いわばフルモデルチェンジをした商品となりますが、一番の特徴はこれまでのシステムと比べて操作性が格段と高くなったことです。つまり、ユーザーインタフェースの部分です。画面上の手順通りに必要な項目を入力すれば計画書が出来上がるほか、これまで「単年度計画」「中期計画」「予実管理」はそれぞれ独立システムになっていましたが、インターフェースの抜本的な見直しにより、シミュレーション精度はそのままに、作業時間の大幅削減を実現しました。

事務所の作業効率がアップするのは魅力的だと思います。

ひとつ誤解して頂きたくないのは、私どもは会計事務所の業務効率化という意味合いで新バージョンを開発したわけではありません。MAPはコンサルティングツールであり、また、コミュニケーションツールだと考えています。つまり、社長と一緒に会社の未来について話し合う時間をより多く確保してもらうために、作業時間の短縮を目指したわけです。弊社はMAPをはじめ様々なサービスを提供していますが、すべての主体は経営者です。経営者の頭の中にある会社の未来を形作るためにMAPがあり、それをフル活用できるように他のサービスやツールを整えています。

経営計画策定には社長とのコミュニケーションが欠かせないわけですね。

39号 MAP経営 (2)

そのとおりです。MAPはコミュニケーションツールなのです。他社でも経営計画のソフトやシステムを開発されていますが、社長とのコミュニケーションを通じて経営計画を策定するプロセスを重要視したい、社長に経営課題について気づいて欲しい、あるいは経営計画業務を通じて喜んでもらいたい、という会計事務所であれば、是非、MAPを活用して頂きたいと思います。

MAP3に対する会員の評価が気になるところです。

先行してMAPの会員組織「あんしん経営をサポートする会」の代表幹事などにご覧頂いたところ、使い勝手の良さと作業時間の大幅な短縮に驚かれていました。それでも途中で戸惑うところが出てくるかもしれませんので、MAPの操作に関する研修会を開催するだけでなく、Web上で分かりやすく解説し、好きな時に必要なところを確認できるコンテンツを整えていく予定です。従来の集合研修については、ノウハウを中心にした実践型の内容を充実させようと考えています。

事務所の主要業務として経営計画支援を掲げるところも増えそうですね。

会計事務所が経営計画支援を主要業務とするためには、操作性の問題のほかにもクリアすべき障壁があります。そこで、会計事務所の経営計画業務の収益化、未来会計業務の事業化を実現させるため、操作面のフォローだけでなく、MAPの周辺サービスなどを整えて、パッケージにして提供していく予定です。

具体的にどんな構想がありますか。

例えば、一般的に会計事務所の職員が苦手な営業やブランディングを強化するようなサービスを検討しています。すでに2012年7月から「組織力強化トレーナー研修」を開始していますが、これは企業の経営体質改善に必須の「組織力の強化」をサポートするためのノウハウを習得し、実践スキルを身に付けるものです。今後、会計事務所のチャネルをより深掘りしていく方針ですが、よりよいサービスを提供するためにも、他社に追随を許さないレベルの人材を育てていくことが弊社の命題といえます。

最後にメッセージをお願いします。

MAP3はこれまでと比べて非常に操作性が高まっていますので、是非、一度ご覧になって頂きたいと思います。今後も様々なサービスやツールを提供していく予定ですが、私どものサービスの核はあくまでMAPシステムであり、MAPを捨ててサービス中心の会社になるわけではありません。MAPをさらに輝かせるためにサービスやツールを充実させるわけです。会計事務所のサービスとして未来会計業務の事業化を支援するため、これからも社員一同全力を尽くして参りますので、是非ご期待ください。

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