クローズアップインタビュー

インタビュー

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クラウド予算実績管理ツール「YOJiTSU」
会計事務所の月次業務に付加価値を
経営数値の見える化でキャッシュフローの黒字化支援

(株)シスプラ 代表取締役社長 椛沢 均氏

 「企業経営にとって、財務会計システムがどれだけ役に立っているのか―」そうした観点から2年余の開発期間を経て製品化されたのがクラウド予算実績管理ツール「「YOJiTSU(ヨジツ)」。月次の試算表や決算書では見えなかった経営数値をビジュアル的に「見える化」。新たに追加したRPA機能で利便性も向上し、既存の財務会計ソフトを「未来を見る経営羅針盤」により進化させた。製品のコンセプト、活用のメリット等について(株)シスプラ(本社=群馬・高崎市)代表取締役社長の椛沢均氏に聞いてみた。

2019年12月05日

―クラウド予算実績管理ツール「YOJiTSU」とは、どのような製品なのでしょうか。

「YOJiTSU」は会計事務所と顧問先経営者の共業を想定したクラウドサービスです。1ライセンスで会計事務所と顧問先経営者の両者が利用することができる仕組みが用意されています。主要各社の財務会計ソフトからデータを取り込むことができるオープンプラットフォームで、月次試算表や決算書では見えなかった経営数字を「見える化」します。目標利益から逆算した予算計画書の自動作成と毎月の予算実績管理で、既存の財務会計ソフトを「未来を見る経営羅針盤」に進化させることができます。

―会計事務所が顧問先の経営を支援するためのツールという位置付けでしょうか。

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「YOJiTSU」は会計事務所と顧問先経営者の共業を想定したクラウドサービスなので、会計事務所が取得したライセンスで顧問先経営者も情報を共有することができます。「YOJiTSU」で作成された目標予算と会計事務所が管理する毎月の実績データをクラウド上で比較分析することで、顧問先経営者と一緒に業績向上やキャッシュフローの黒字化に取り組みます。また、会計事務所にはクライアントマネージャーという顧問先を一元管理するモニタリングツールも用意しています。

―これまでの経営支援ツールは高度なスキルと経験を必要とするものがありますが、「YOJiTSU」は財務会計の基礎知識があれば使いこなせるのでしょうか。

財務会計の知識は非常に重要です。但し、「YOJiTSU」を活用するのに必要なのは管理会計の基本中の基本、変動損益計算です。管理会計といっても難しいことではありません。変動損益構成図の見方と収支分岐点売上の考え方だけ理解しておけばいいので、顧問先経営者でも簡単に理解できると思います。


財務会計データをベースに目標利益から逆算して目標予算を自動作成

―経営計画作成と『YOJiTSU』の予算計画とはどう違うのか教えてください。

経営計画と『YOJiTSU』の予算計画は目的が全く違います。経営計画とは経営者と社員が進むべき方向性と価値観を共有するための設計図であると思います。3年後5年後のあるべき姿から逆算した数値目標を作成し、それを実現するための行動計画を社員全員で検討します。つまり経営計画はこれからこうなりたいという未来の姿を目標にしたものです。時間も手間も相当かかるので、完成することがゴールとなってしまうケースも多いようです。


一方『YOJiTSU』の予算計画書は会社のキャッシュフローが現在黒字なのか赤字なのかを判断するための物差しです。取り込んだ財務会計データを変動損益形式に全て置き換え、直前期の実績データから数値目標を自動的に導き出すもので、会計事務所だけでも作成してしまうことができます。直前期の財務会計データによる様々な実績比率から導き出された目標予算は、希望的数値ではなく客観的に導き出された根拠のある数字として毎月の実績を評価するのに役立ちます。

―キャッシュフローが黒字か赤字かとは具体的にどういうことなのですか。

企業経営で一番大事なことはキャッシュフローです。本来、お金を元手にお金を増やす活動が事業活動ですから、キャッシュフローがプラスかマイナスかという事は何より重要な経営上のテーマです。しかしキャッシュフローの黒字赤字は試算表や決算書ではわかりません。月次試算表や決算書の黒字はキャッシュのことではありませんので、利益が出ていてもキャッシュが足りなくなる可能性があります。例えば借入金の返済です。借入金の返済は経費ではないので損益計算書には載りませんが資金は支出します。仮に借入金の返済額が償却前利益を超えていれば、キャッシュが足らなくなってしまうわけです。

―黒字なのに資金繰りが苦しいというのはよく聞く話です。「YOJiTSU」では、それが見える化されるのでしょうか。

「YOJiTSU」は資金繰りやキャッシュフローを予測することを目的としたシステムではありません。直近の決算データから、キャッシュフローをマイナスにしないための目標予算を自動作成し、その目標予算を達成するために、様々な角度から経営数値を見える化するシステムです。あといくら売上が足らないのか、どの部門が好調でどの部門が足を引っ張っているのか、徐々に増えたのか急に減ったのかなど、あらゆる細分化された情報が得られれば、具体的な対策も検討しやすくなると思います。


RPA機能追加で利便性が大幅に向上

―RPA機能が搭載されたとお聞きしましたがどんな機能でしょうか。

先ごろSTORYという「YOJiTSU」の利便性を画期的に向上させるSPA(セルフ・プロセス・オートメーション)をリリースいたしました。SPAはRPAの一種で、自システムの中で複数の作業を自動化する機能です。「YOJiTSU」では設定によって数百パターンの分析資料を作成することができますが、各会社ごとにその会社で必要な分析パターンをSTORYボックスに保存しておくだけで、最大100種類の分析帳票を自動作成することができます。簡単に言うと、毎月仕訳データを「YOJiTSU」に送信するだけで、クラウド上でSTORYが勝手に動き、月次報告書まで自動的に作成してくれるというわけです。

―会計事務所の利便性も格段に向上しそうですね。

そうですね。ただ問題は、いくら「YOJiTSU」が高機能で多種多様な経営分析ができるツールだとしても、売上という勘定科目が1科目しかなければ分析のしようがありません。売上が細分化された目標予算があって初めて現状分析や傾向分析が可能となります。そのため新たに開発したのが、予算を作成する段階で科目や部門で売上を細分化することができる「売上細分化ツール」です。前期の売上科目が1科目しかなくても、これで細分化予算を作成することができます。

―「YOJiTSU」によって会計事務所の月次業務に対する価値観も大きく変わりそうですね。

「YOJiTSU」を活用することで、試算表で過去の結果を説明する過去会計から、予算と実績を比べながら目標に対して現状がどうかを検証し、今後の対策を考える未来会計へと毎月の仕事が変わっていくでしょう。そうなれば、お客様に付加価値を提供するプロとしての自覚が必要になります。その覚悟を持つことができた事務所だけが、他社との差別化に成功し、生産性を高めて生き残れるのではないかと思います。


従来の月次業務に対する価値観を大きく変えるツール

―従来の月額顧問料に対する考え方も変える必要がありそうです。

それは、会計事務所の報酬をどこにリンクするかということだと思います。一般的に月額顧問料は、毎月試算表を作成して結果を報告するという〝作業″に対する報酬ですが、「YOJiTSU」の活用による報酬は、お客様の目指す成果目標にリンクするべきだと思います。つまり、お客様から頂く報酬はお客様からすれば目標利益を達成するためのコストですから、目標利益(内部留保金)が300万円なら10%の30万円というように決めたらどうかと思います。

―予実管理で会計事務所が果たす役割とそれに対する評価は、顧問料とは別ということですね。まさに価値観の転換といえます。

はい。お客様が成果を上げるためのお手伝いの対価を頂くことになりますから。


昨今の事業承継などの問題の根本は、中小企業の経営が不安定で利益を出せていないのが大きな要因ではないかと思います。感と経験に頼ったドンブリ経営を続けていてはこの問題は解決できません。会社を継続発展させるためには絶対に黒字にしなければならない。1年くらい赤字でもいいという事はないのです。キャッシュフローベースの目標予算を作成し、毎月の経営数字を少しでも早く経営者に届けることが、今後の会計事務所の果たすべき役割ではないでしょうか。顧問先企業が健全に経営を行い、安定して利益が出せるようになれば、必然的に事業承継問題は解決し、会計事務所の収益も向上することは間違いありません。

―最後に会計事務所の皆さんにメッセージを頂けますか。

当社は30年以上にわたり、会計事務所をパートナーとして事業活動を続けてまいりました。この間に、会計事務所のステータスは大きく変貌いたしました。これから益々厳しくなることが予想される経済環境の中で、中小企業のパートナーとして、経営者の力になれるのは会計事務所だけだと思っています。そのためには、まず会計事務所の皆さんが、自らの意識を変え、顧問先企業の健全経営を支援し、必ず黒字経営にするのだという覚悟が必要です。令和という新しい時代を迎え、会計業界がもっともっと魅力のある業界として自信と誇りを持てるよう、全力で取り組んでいきたいと思っています。

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