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クローズアップインタビュー


現在、会計事務所業界に大きな衝撃を与えているのが、「月額税務顧問料9,600(税別)〜」という料金設定を打ち出して、年間150件以上の新規顧問先を獲得している税理士法人FISだ。そうした成功のノウハウを全国の会計事務所に提供する仕組みとして、新たに「タックスイノベーションパートナー」(略称=TIP)構想を古尾谷代表が打ち出した。その事業化構想とは、どんな内容なのだろうか。

会計事務所業界で繰り拡げられている顧問先獲得のためのマーケットのシェア争い。どの事務所も数年後に顧客拡大の基盤を作るために躍起になっている。

開業4年で300件以上の新規顧問先を獲得している税理士法人FISは、ホームページ活用、SEO対策に強い事務所として知られている。「月額9,600円〜の税理士報酬」という、あっと驚くような価格訴求力を与え、興味を示したお客に対して独創的な料金体系と豊富な商品ラインナップを提示することによって、確実に経営者のハートを掴んでいる。

これまで、同税理士法人では事務所経営のノウハウについて、セミナー等を通じて税理士に公開してきたが、「顧問料の下げ止まり対策や顧問先を増やすための方法などについて、真剣に悩む先生方と接してきましたが、やはり料金体系やサービス内容を一から見直さないと集客は難しい」(古尾谷代表)との印象を強く持ったという。と同時に、果たして本当の意味での顧客拡大への基盤を作ることができる会計事務所は出てくるのだろうか、という疑問も少なからずあった。

「全国に最良で同一サービスを提供できる会計事務所」が出発点

そうした状況を打破するためには、これまで培ってきた税理士法人FISの顧客獲得ノウハウをもとに、会計事務所の報酬やサービス体系を全国統一化して、共通ブランドイメージを構築する方法が最善策であるという結論に達した。こうした趣旨に賛同する事務所と連携しながら、全国の中小企業にプローモーションしていくことで新たな市場や需要が喚起できる。「そのプラットフォームを作りあげていきたい」(同氏)というのが、今回のタックスイノベーションパートナー(TIP)構想の出発点となった。

すでに、(株)タックスイノベーションという事業会社を設立し、「同じサービスを全国どこでも最寄の会計事務所で受けることができ、提供されるサービスは日本最安、業界屈指のノウハウ」を2大コンセプトに、8月をめどに当初は首都圏の会計事務所からはじめて、全国の会計事務所とパートナー関係を構築していく予定だ。

大手会計事務所・税理士法人は、圧倒的な組織力により顧客拡大の基盤を作るためのリソースが豊富にある。それに対して中小・零細(個人)事務所はその点がウイークポイントでもあり、すべてのリソースを集約・共有化することで大手事務所にも対抗できる仕組みが享受できるのが最大のメリットという。

税理士同士のグループ化戦略で化学反応を起こし、税理士業界をイノベーションする税理士の集団と位置づけられたこの組織。地域密着を謳う事務所にとって顧客拡大が図れるほか、何よりグループ化によりマーケティング・情報・ノウハウ・ITの共有が可能になり、個別の事務所では不可能な戦略が実現できる。

統一ブランドによるパートナー事務所と共同歩調を

税理士法人FISでは、グループ企業の(株)FISマーケティングが中心となって顧客獲得のWEB戦略を展開しているが、ホームページの潜在能力の半分も使っていない状況だという。それにもかかわらず、北海道から沖縄まで、企業から問い合わせがあるが、すべてに対応するには無理があり、せっかくの機会も逸している場合が多いのも事実だ。そこで、同社が一括して集客して全国のパートナー会計事務所に紹介するスタイルが考えられている。

事業会社の(株)タックスイノベーションに集約される情報・商材・営業ツール等を活用できるメリットは大きい。さらに、FISのマーケティング、SEO(ホームページ上位検索表示)ノウハウに加え、グループ化による広告宣伝を行うことで最大限のブランディングが可能になり、「これまでの旧態依然とした会計事務所のスタイル脱皮に一石を投じていきたい」(同氏)。

現実的に会計事務所の料金体系はまちまち。それが会計事務所のホームペーに掲載されているのかと思えば、そうでもない。また、サービス内容も不明確。これでは、企業側が求める会計事務所を探せない。顧問料の価格競争も目立つ中、どこのパートナー事務所を選んでも価格やサービス内容が統一化されていれば、企業側も判断しやすくなる。「このスタイルは、価格競争を生む要因にはならない。会計事務所の質や特徴、強みといった点で競争をしていくことが本来の姿だと思う」(同氏)。

タックスイノベーションパートナーに加盟すると、基本サービスと応用サービスを受けられるほか、ホームページ作成・SEOサービスといったオプションメニューも用意されている。まず、「基本サービス」は税理士法人FISの「月額9,600円〜の顧問報酬体系」のノウハウが提供される。企業の顧問契約の見込み案件を多く獲得できるほか、「顧問契約の解約になりにくい、利益の出る仕組み」といった情報提供以外に、顧問契約を取るための営業手法も公開する。問い合わせから契約に至るまでの営業フローは重要なポイントの一つに違いない。

また、TIP公式サイトにパートナー事務所として掲載されるほか、YahooとGoogleの検索で「会計事務所」というキーワードを入れると最初にヒットする税理士法人FISのHPもTIPサイトにリニューアルする予定だ。地域で税理士を探す見込み客を事務所検索エンジンにて最寄のパートナー事務所へ誘導してくれるわけだが、このサービスは「地域ごとの登録制」となっている。

さらに、独自の営業管理システムの導入で新規顧客の紹介サービスも受けられる。ちなみに紹介料は、年間顧問料の6割が相場と言われる民間の紹介会社と比べ、半額以下の価格設定がなされている。また、パートナー事務所同士で新規顧客を紹介するシステムほか、求人サイトへの掲載、名刺・封筒・サービスガイド等の共通ツールも提供される。入会費用は525,000円(※平成23年7月31日までは期間限定キャンペーンで315,000円)で、管理運営費として月額31,500円(東京)、15,750円(東京以外)がかかる。

一方、「応用サービス」とは、相続申告に関する案件紹介。相続特化事務所の税理士法人チェスターからのノウハウ供給を受けて、「相続申告20万円〜」の統一価格で提供していく。これも、基本サービスと同様な仕組みでサイトからの集客、営業方法の公開、営業管理システムの活用によって、見込み案件等を紹介してくれる仕組みである。

徹底したWEB戦略で快進撃を続ける税理士法人FIS。現在、月間5万件のアクセス数があり、さらに今回の全国統一ブランドによる新プラットフォームの誕生でアクセス数アップと問合わせ率の向上に期待を寄せる。「すでに20会計事務所がパートナー事務所として参画しているが、目標は3000会計事務所。税務以外に融資、助成金、経費削減、売上拡大といった分野にまで対応できる体制を作ることができれば、マーケットは確実に拡がる。企業サイドから“TIP”が認知され、会計事務所と言えば、TIPと言われるぐらいのブランドに育てていくのが最終目標」(同氏)としており、今後、業界内で話題を集めそうだ。

税理士法人FIS

東京都中央区日本橋3丁目13番5号KDX日本橋313ビル2階

TEL:03-6265-1681 FAX:03-6265-1684

http://www.tax-fis.com

税界タイムス21号、5面に掲載