クローズアップインタビュー

インタビュー

5面 岡村社長DSC08810_s

フィンテック時代にこそ必要な保険管理システム
顧問先の保険契約情報一元化のクラウド管理サービスを提言


(株)e-Return 代表取締役社長 
 岡村 雅司 氏


平成28年5月施行の改正保険業法において、顧客意向把握や情報提供義務化にも有効なツールとして、代理店や会計事務所から注目されているのが、生命保険契約情報を一元管理するASP・SaaSシステム「e-Return」(イーリターン)。度重なるバージョンアップにより完成度も高まり、最近では、銀行のAPI開放の動きに呼応し、フィンテックを活用した保険契約情報のクラウド管理サービスに対応するシステムへとさらなる進化を遂げようしている。同システムを開発・販売元である(株)e-Returnの岡村雅司社長に、意気込みを聞いてみた。
(写真はASPIC会長賞の盾を持つ岡村社長)

岡村 雅司 氏  プロフィール


1974年法政大学社会学部卒業。全国労働共済生活共同組合勤務を経て、平成3年(有)ライトスタッフ設立後、個人保険事務所を開業。同11年にはFPの立場から乗合代理店を開業。同12年株式会社に改組し税理士16名の新規株主を加え生保・損保あわせて15社を取り扱う。
同16年に(株)「e-Return」を設立、税理士業界を中心とした法人、資産家向けコンサルティングを展開中。
▽商品URL http://www.e-return.jp
保険管理システム『e-Return』は、総務省の外郭団体ASPICにて、2016年度ASP・クラウド部門でASPIC会長賞を受賞。

2018年08月09日

―改正保険業法を契機に、会計事務所が行う保険販売に関するスタンスの見直し議論が大きくクローズアップされてきました。

まさにおっしゃる通りです。体制整備の構築で、代理店は法に則った意向把握や情報提供を行ったかのエビデンスを残す必要があります。会計事務所の保険代理店も例外ではなく、それらを担保する措置を講じなくてはならないなど、保険ビジネスの抜本的な対応が求められています。

―生命保険は大きな資産ですが、会計事務所が保険を管理してあげる必要性とは?

会計事務所が生命保険に関わる必要性は、「相続・業承継対策」、「役員退職金の財源確保」、「法人の決算対策」等の場面にあります。顧問先に正しく指導・アドバイスすることが重要であり、顧問先に生命保険を販売することではなく、むしろ、保険内容を把握してしっかり管理してあげることが大切なのではないでしょうか。東日本大震災をはじめとする度重なる災害もあり、会計事務所も顧客サービスの一環として、顧問先のリスクヘッジに積極的に関わることがますます重要になってきています。顧問先が必要な保険にきちんと加入しているか否かをチェックしてあげるためには、生命保険を管理するツールが必要です。

―そこで早くから保険管理の重要性に着目し、平成17年から本格的にシステム開発に取り組まれましたね。

はい。平成8年に生命保険販売に関する乗り合い代理店が認可され、金融自由化の流れも受けて、「保険はどこで加入しても同じ」という時代ではなくなってきました。そこで、税理士の先生方からの出資をもとに、保険の比較販売を行う(株)ライトスタッフを立ち上げ、平成11年から本格的に事業をスタートしました。そして、保険加入契約の全体像を掴むことをベースに、誰もが分かり易い形で現状分析から管理まで一貫して管理出来るツールを提供しようという発想で生まれたのが、保険管理システム「e-Return」です。


 複数の保険会社の商品に契約されている顧問先から保険商品の問い合わせがあった場合、紙の資料では手間がかかり、すぐに答えることができません。そこで、インターネット上のシステムに情報をアップし、試験的に導入してもらった会計事務所ユーザー等による数々のテストを経て、平成17年には商品の完成度をより高めた「e-Return」の基本型を完成させました。



資産価値の判断ツール「e-Return」がさらなる進化

―システムの大きな特徴とは。

お客様が契約している保険の保障内容を、自社契約、他社契約を問わず、特約を含む保険商品を包括して総合的に管理できる点に特徴があります。この機能により、保険契約のピーク管理や満期管理に関する不安軽減が図れます。また、このシステムは、お客様、税理士(会計事務所)、代理店が同じ情報をIDとパスワードの管理の下で共有化できる点も、他にはない特徴です。これにより、保険指導する会計事務所サイドでも、保障内容の適切な見直しや保険の運用をサポートするとともに、経理処理に関わる情報を抽出することができます。さらに、日本で初のビジネスモデル特許も取得。基本的に、インターネットに接続できる環境があれば、必要な時に自由に使えます。

―バージョンアップを重ね、ほぼ完成域に達していますね。

これまで煩わしかった保険情報の入力作業の簡素化をはじめ、セキュリティ、情報検索、プレゼン機能などを追加し、最新の税制改正にも対応させたバージョンアップで完成度を高めてきました。最新のシステム(Ver14)では、改正保険業法に対応すべく顧客意向把握や情報提供業務義務にも有効なツールとして改良を重ね、保険契約後のフォローや契約管理面も充実させました。保険を扱う会計事務所からは、顧客に的確・適正な提案ができる保険管理と分析のスペシャルツールとして活用されています。

―導入事務所から具体的にどんな反応や声が届いていますか。

顧問先が加入する全契約を把握できることで、そのお客の保障の何が無駄で何が不足しているのかが一目瞭然にわかるのがありがたい、という声に集約されますね。税理士の立場として、見たい契約だけを保険会社問わずに絞り込みできて、画面上でわかる基本情報や保険料、解約返戻金や保険料との資産計上額などの法人経理処理が一覧で閲覧できることも重宝されています。また、問い合わせ等も誰が受けても即座に対応できますので、決算期にあわてて資料集めに走るというようなことも必要なくなります。FPの視点で保険コンサルを行う会計事務所からは、企業防衛のためのリスクマネジメントにも役立てられるという事で事業計画の柱に据えて頂いている事務所もあります。税理士の先生方が保険管理を行った方がよいという理由を挙げたら、きりがありません。

―会計ソフトベンダーに採用されている唯一の保険管理システムですね。

会計ソフト大手の(株)オービックビジネスコンサルタント(OBC)、(株)ミロク情報サービス(MJS)、ソリマチ(株)、(株)エッサムの各社で、会計事務所向けサービスとして採用されています。各社のユーザー会計事務所に対しては、無料導入期間や割引制度を設けて導入しやすくしており、顧問先企業へのサービス拡充に役立つ有効なツールして活用を呼び掛けています。


オンラインファーストは時代の要請。保険業界も共通プラットフォーム構築のインフラ改革を

―最近、フィンテックの進展で金融機関のAPI連携が加速化していますが、保険業界内にもフィンテック活用の動きはあるのでしょうか。

はい、金融庁ではフィンテックを活用したイノベーションに向けたチャレンジを加速させる観点から、「FinTech実証実験ハブ」という新たな取り組みが行われています。この動きに呼応して弊社と国内大手の情報サービス会社と共同で、「保険契約情報のクラウド管理サービス」を実現するためのプラットフォームに関する提案資料を作成し、実証実験にエントリーしています。銀行のAPI開放と同じ流れで顧客志向の契約内容の見える化や保険金、給付金の一括請求サービスを、フィンテックを活用したクラウド管理サービスで解決を目指そうという趣旨です。

―相当大きな改革になりそうですね。

保険契約者が、自身の保険契約をスマホ等のマルチデバイスで一括管理を行うことにより、将来的には契約者の利便性を向上させ、保険本来の安心性の担保や震災時の保険請求の迅速化、保険会社の保全業務負荷の軽減など、双方に対して有益な効果を生み出す仕組みをクラウド上で管理していこうという狙いです。保険契約者は異なる種類の保険を複数社にわたり契約していることが多く、保険会社単位での契約管理では手続き漏れや保険請求漏れが繋がる可能性が高いため、契約者単位もしくは家族単位で集約し、管理するプラットフォームを提供することで問題解決が図れるものと考えています。

―まさにフィンテック時代を反映したクラウド管理サービスとなりそうですが、実現の道のりはいかがでしょうか。

オンラインファーストは時代の要請であり、AIに象徴されるサービスの高度化・自動化は契約者の利便性向上、保険請求の迅速化、保険会社の事務負担軽減といったメリットに直接結びつきます。


現状の問題点でもある保険会社のAPI開放や、保険用語の統一といった保険の“見える化”、本人や家族の確認問題など、クリアすべき課題は山積です。フィンテックの普及は、こうしたインフラの部分の整備も含まなければ、実現はしないと思います。


しかし、生命保険協会の調査によれば、保険関連の問い合わせや苦情の大半が「照会や請求」関連であり、顧客本位の業務運営の推進に当たっては、フィンテックを活用した保険各社が連携する共通プラットフォームの構築がやはり必要であり、まさに競争領域でない保険業界全体としての協調領域としての価値観の統一、つまり、顧客本位の業務運営がなければ、やがては外資系のFinTech企業に先を越されてしまうのではと危惧します。

―なるほど。御社のクラウドの保険管理サービスは、まさにその実現を担うシステムでもあるわけですね。

はい、そうなればうれしいです。提案している「保険契約情報のクラウド管理サービス」は、国策でもある官民データ推進基本法の趣旨にも合致しており、保険の新規契約や見直しニーズを含めて毎年1,900万件に達する市場が顕在化しています。クラウド管理サービスの意義はとてつもなく高く、そうした状況下において、弊社の保険の一元管理サービスは、保険代理店や会計事務所向け業務専用の支援ツールとしての“プロトタイプ”という位置づけになればいいと考えております。

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